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ノースサイド・フェスティバル2017 6/8-6/11

6/18/2017
Text by Yoko Sawai 

今年2017年で9回目を迎える、ノースサイド・フェスティバル は、SXSWのブルックリン版とも呼ばれ、ブルックリンのノースサイド(グリーンポイント、ウィリアムバーグ、ブッシュウィック)で行われます。

今年は、イノヴェーション(革新)と音楽に的を絞り、300のバンド、150のスピーカーが、ブルックリンのノースサイドの、クラブ、教会、野外、ブティック・ホテルなど30もの場所で、4日間に渡りショーケースされました。

イノベーション・スピーカーは、NY市長デブラシオ氏始め(!)、ニューヨーク・タイムスなどの出版社、ヴァイス/HBO、ピッチフォーク、WNYCなどのメディア、グーグル、スクエア・スペースなどのテック会社、トライベッカ・フィルム・フェスティバル、ADHocなどのオーガナイザー他、ミュージシャン、ファッション・デザイナー、フィルム・メーカーなど、前進する会社/個人が集まりました。ベンチャー起業の決断の仕方から、デジタル社会でのオンラインとオフラインの使い方、ブランド・マーケティングの方法(どのように一目を置かれるようになるか)、新しい仕事の法則、音楽業界でのブランドの確立の仕方など、様々なトピックについての討論は、2017年、トランプ政権の時代の、ジャーナリズムやメディアの在り方を、納得させるものでした。イノベーション・バッジは$499です。

音楽のハイライトは、新しいアルバムを出したダーティ・プロジェクターズ、カマシ・ワシントン、ジェイソム、ミゲエル、サーズディ、ローワー・デンズ、メアリー・ティモニー、レティシア・サディエール(ステレオラブ)、トータル・フリーダム、ムーア・マザー辺りで、個人的には、アルドス・ハーディングが最高でした。


観客の期待が大きかったのは、ニューアルバムを出して初のショー、初日のマカレンパーク・ステージのトリを飾ったダーティー・プロジェクターズでした。デイブは、ジャケットにTシャツといういつものスタイルで「hi how's going?」と軽ーく登場し、オーディエンスをリラックスムードに持って行きました。メンバーは、元バトルスのタイヨンダイ・ブラクストン始め、ナット・ボルドウィン、オルガ・ベル他、ホーン隊が3人と鉄琴、打楽器など、ビッグバンドでした。新しい曲のお披露目がメインでしたが、古い曲を混ぜ、ゲストボーカルを迎え、ダーティー・プロジェクターズとしてのバンド・バランスを保っていました。

その前のカマシ・ワシントンは、ケンドリック・ラマーやフライング・ロータス、スヌープ・ドッグなどとの幅広いコラボレーションで知られているジャズミュージシャン(テナーサックス奏者)で、ジャズの壁を壊し、新しい事に挑戦しています。ワシントン(テナーサックス)、キーボード、ホーン隊、シンガー、ドラムの、圧巻なビッグバンド演奏は、黄昏どきの公園にぴったりでした。前の方は、ぎゅうぎゅうでしたが、後ろや、公園の外では、レジャーシートを引き、ピクニックのように、ゆったり音楽を楽しんでいました。

私の一押し、アルドス・ハーディングは、PJハーヴェイのコラボレーター、ジョン・パリッシュのプロデュースで、4ADからのアルバム「パーティ」を発表したばかりの、ニュージーランド出身女子です。1日目は教会、2日目は音楽会場ベイビーズと、沢山いるバンドを押しのけ、2回連続で見るほど良かったです。教会では、厳かな雰囲気の中で、真っ白のタートル、シャツ & ジーンズ、そしてギター、ギターストラップと、アルドスは、上から下まで白づくしで登場しました。彼女のギター一本の弾き語り、インビジブル・サークルのジャレッドとのキーボードデュオ、そしてジョアン・アズ・ア・ポリスウーマンのジョアンがベースで参加するなど、曲によって形を変えていましたが、彼女の特徴的な声を活かすため、楽器はミニマムに抑えられていました。目を見開いたり、歯をいーっとしたり、睨んだり、脚を大きく開いてアゴをギターにつけたり、表情が豊か過ぎて、白いのですが、彼女の声の存在が大き過ぎました。ベイビーズは、もう少しカジュアルで、観客との会話を楽しむ余裕もありました。ここでもドレスコードは白。どちらのショーも、観客の熱い拍手が鳴り止まずでしたが、観客からの大きな声援を浴びると、恐縮する所が可愛いかったです。終わっても、頭に彼女の佇まいと曲が残り、暫くはヘビーローテーションが続きそうです。

土日は、ベッドフォード・アベニューと、メトロポリタン・アベニューからN12stまでが閉鎖され、ブロック・パーティが行われました。壁が建てられ、壁画が描かれ、10人以上のアーティストのインスタレーションや建築物などが、展示されました。アーティストに優しい街な気もしますが、周りはコーポレートなお店で溢れているのが、ノースサイドの現状です。

ブルックリンのノースサイドは、家賃高騰で、アーティストは殆ど居なくなり、所謂ソーホーと化していますが、ノースサイド・フェスには、地元インディ・バンドが沢山参加しています。2009年のスタートから、環境は変わりましたが、大物、インディに関わらず「今」のバンドを紹介する姿勢は一貫しています。一年に一回、ノースサイドのシーンを見直すには良い機会でした。

http://northsidefestival.com/





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