私達の時代の重要なミュージシャンの一人、坂本龍一のドキュメンタリー「Coda」を観ました。 https://coda.mubi.com 彼のミュージシャンとして、そして一人の人間としての半生をドキュメントした映画ですが、彼の人間味溢れるキャラクターと音楽への情熱、社会に貢献する姿勢などを学ぶことができます。 2014年6月に咽喉癌の段階3と診断された彼は、7/10に公に公表し治療に専念する事にしました。何ラウンドかの、化学治療を終えた翌年の春、Alejandro González Iñárritu監督から突然電話があり、明日もし可能ならLAに来てくれないか、と言われました。起きたばかりでボーとしていた事もありましたが、休養期間にも関わらず、イエスと答えていました。20代から仕事をし、こんなに長く休んだのは初めてで、仕事をしない事が、悪に感じていた頃で、生命の危険を経験した事で、彼の創造力のモチベーションがより上がり、音への追求が始まります。 津波の被害にあった福島では、現地に赴き、原子力反対の運動に積極的に参加しアイコンとなります。津波の後に生き残ったピアノで、疎開している人達の為にコンサートを開き、災害の後に残ったピアノこそが、自然の調律になっている、と思ったらしいです。物は自然のままが真の姿なわけですが、現代に生きる私達は、それを忘れがちです。 自然の音にこだわる彼は、雨の降る音、鳥が飛び交う音、木がそよぐ音などに反応し、北極に行って水の音を録音したり、大雨の降る日に外に出てバケツを頭から被り音を感じたり、シンバルを持ち込んで、バイオリンの弦をあてたり、コーヒーカップで円を描くように音を出したりなど、音を求め続けます。 彼の昔のバンド、テクノポップのイエロー・マジック・オーケストラのライブ映像や、若かりし日々の坂本さんのインタビューや音楽、そして俳優としても参加している、戦場のメリークリスマスや、ラストエンペラーの映像(オスカー賞を受賞)、昔の東京の映像なども盛り込まれ、色んな想いを馳せる事ができます。 この映画は、威厳としたリンカン・センターで見るのがお約束かと思ったのですが(NYはこの2映画館のみ)、坂本さんの家にも近い、こじんまりしたシネマ・ヴィレッジにしました。ゆるい雰囲気で広告も殆どなく、ソールドアウトにもならず何気におススメです。 Cinema vi
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