インディ映画館の、フィルム・フォーラムは、1970年にアッパーイーストサイドで、 50席の折りたたみ椅子から始まり、何度かの移転を経て、今の場所 (W Houston Street)に1990年に来ました。
私が1999年にNYに引っ越して、初めて行ったのがフィルム・フォーラムでした。取り敢えず映画でも、と思い行ってみたら、マニアックなフレンチ映画や、カルト映画など、一般の映画館では見れない古いインディ映画を沢山上映していました。当たり外れもありましたが、雰囲気も場所も気に入って、週に何度も通っていました。
そのNYのランドマーク的な映画館が、 2018年の春から一時閉鎖をし改装を行い、先週の水曜日(8/1) 、再オープンしました。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドでも有名な、ニコの最後の年 (1986-1988) を描いた「ニコ、1988」を上映していたので、早速行ってみました。
フィルム・フォーラムではこの別のドキュメンタリー「ニコ・アイコン」も 1996 年に上映していましたが、ドキュメンタリーにしたくなる気持ちもわかります。ニコの、堂々とした、アイコン的なキャラクターは、黒のレザー・レギンス、ウエスタンブーツ、サングラスで、いつもタバコを吸って、ハスキーな歌声を響かせます。ヨーロッパ中で演奏するのですが、コンサートの途中で、音が気に入らなかった、バンドメンバーに怒鳴り散らして、ステージを降りたり、ラジオでヴェルヴェット・アンダーグラウンドの事を聞かれ、攻撃的な姿勢を見せたり、コンサートの途中で、薬取り締まりの警察が突入し、荷物をまとめて逃げなくてはならなかったり、場違いなクラシック・コンサートで、歌わなくてはならなかったり、父親の知らない息子が登場し、血まみれでトイレに倒れていたり、ランドロードと結婚したり、かなり破天荒な最期の 2年間です。ニコ役のTrine Dyrholmの演技が、とても大胆で際立っていて、印象的でした。アイコンそのものです。
新しいフィルム・フォーラムの特徴は、シアターが3つから4つに増え、 500はある、柔らかいヴィニールのシームレスな椅子。スペースがあり、クッションが効き、アームリストもあり、硬いのに心地よいのです。お尻が痛くならないのが不思議でした。ロビーにもデジタル・スクリーンが設置され、サイレント映画やショート映画が上映されていました。待っている時も退屈なしです。前は映画館に、アンダーグラウンド感漂っていましたが、今は明るくクリーンなイメージ。面白そうな映画が目白押しなので、また通ってしまいそうです。



The Film Forum
209 West Houston Street
New York, NY
Yoko Sawai
8/5/2018
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