Ava Luna @market hotel 10/4/2019
Ava Lunaは、2009年に結成されたブルックリンのバンドである。
http://www.ele-king.net/columns/regulars/randomaccessny/006501/
http://www.4533nyc.com/2019/05/tempomrtwin-sister-ava-luna-warsaw.html?m=1
http://www.4533nyc.com/2019/05/ava-luna-sony-park-live-house-fever.html?m=1
彼らは、ブルックリンで10年+活躍しているのだが、最初にメンバーチェンジがあってから、ずっと同じメンバーで活躍していた。
2010以降は、ブルックリンのサイレント・バーンというDIY会場で頻繁にプレイし(メンバーはそこで働いていた)、小さなDIY会場から大ホールまで、数回に渡るアメリカ、ヨーロッパツアー、日本でもショーをし、鍛えあげられたブルックリンを代表するバンドである。
そのAva Lunaのメインヴォーカリスト、キーボードのベッカが、このショーでバンドを卒業する事になった。彼女は、ステージではウィッグをかぶったり、羽のついた衣装を着たり、ショッキングピンクのパンツスーツを着たり、どんな格好をするのか楽しみなのだが、最後のショーは、水色のツーピース(ロングパンツ)、アクセサリーなしという、シンプルな格好、素の彼女のままだった。
最近ではキーボードと歌がメインのベッカだが、今回は彼女がギターを弾く古い曲もたくさん演奏した。久しぶりにギターを弾くベッカを見て、カルロスは「あーこの音懐かしいな。好きだったよ」と目を細めていた。
更に、集まってくれたオーディエンスに、感謝の言葉を述べ、ベッカにありがとうを言い、「こんなにたくさんの曲が演奏できて、なんて楽しいんだ。僕たちはたくさんの曲を一緒に作ってきたんだ。はーー」とため息をついていた。
ベッカ、フェリシアが殆どボーカルを取っていたが、カルロスが唯一ボーカルを取る「クラウン」では、感情が入り、泣きそうにもなっていた。どの曲も、コーラスだったり、掛け合いだったり、違うアプローチで3人の声が重なりあい、これがAva Lunaになる。1人も欠けられない。
アンコールの声が止まず、彼らは戻ってきたが、「アンコールの曲を用意してなかった」と照れながら言い、でだしを間違ったりしていた。ベッカは、最近の一ヶ月のアメリカツアーで、バンが壊れて一週間ほどショーをキャンセルせざるを得なかった話などエピソードを話し、彼女の20代はこのバンドと過ごせて本当に良かった。今日は見たことのある人達がたくさん集まってくれて嬉しいし、お母さんまで来てくれた、と感謝の言葉を述べていた。最後の曲の前に、カルロスが、「さっきからベッカにありがとうと言ってるけど、もちろん他のメンバーにも感謝している」と、イーサン、フェリシア、ジュリアンを紹介していた。
マーケットホテルは、トッドPが始めた会場である。
http://www.ele-king.net/columns/regulars/randomaccessny/002015/
2008年にオープンし、アーティスト達が住み始め、コンサート、ダンスパーティ、アートショーなど様々なイベントを行なっていたが、2010年にNYPDによってクローズさせられ、住んでいたアーティストたちも追い出された。その後、様々な改装や沢山のペーパーワークを纏め、いろんな問題に立ち向かい、2015年12月に合法にオープンした。こけら落としは、スリーターキニー。
ブルックリンのDIY会場が、なくなりつつある中に、5年という年月をかけて合法に再オープンしたのはマーケットホテルが初めて。トッドPの、DIY会場に対する愛と努力の賜物である。その会場で、DIYを代表するアーティストAva Lunaの最後を見れたのは完璧だった。オーディエンスも、今のブルックリンシーンを引率する人たちが集まり、パワーを感じ、この場所がある限り、ブルックリンはまだまだ大丈夫だ。Ava Luna、素敵なショーをありがとう。
Yoko Sawai
10/6/2019
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